1999年9月15・23日特別講習会レポート
(於:東京都中野区)


 1999年9月15・23日、東京都中野区にて開門拳社の一般向け特別講習会が行われました。


▲開門八式 降龍

参加者のレポート&記録写真

『八極拳特別講習会』受講レポート
【1日目】
 1999年9月15日、生まれてこのかた武術など縁も無かった私が、東京都中野区の某施設で行われる八極拳の講習会に参加する事は大冒険でした。
 八極拳は漫画やゲーム等で少しの知識を持っていましたが、実際に見るのも体験するのもコレが初めての事で、会場に入る際に床に響く振脚の音を聴いた時はちょっと感動しました。
 受付の際に初めて服部先生にお会いしました。 実はNHKで放送された『ネットワークジャングル』でモーションキャプチャーをされているお姿を拝見していたのですが、その時の厳しい表情とは違い穏和な雰囲気と会話で接して頂き、緊張気味だった私はホッとしました。

 参加者が揃ったところで、服部先生の挨拶、そして軽い準備運動を行いました。 しかし、準備運動とはいえ中には手足が言うことをきいてくれないような動作があり、周囲の参加者が淡々とこなしているにも関わらず私は混乱の渦中にいました。(笑)
 準備運動の後は馬歩、弓歩、四六歩といった構えや二人一組で行う物(動作の名前が思い出せない)など基本的な動作を練習しましたが、ヘッポコな私にイヤな顔ひとつしないで指導してくださった会員の方々(名前がわかりませんスミマセン)には感謝しています。これに懲りずに今後ともご指導下さい。
暫く休憩の後、基本功である開門八式の練習を行いました。準備運動とは違って力強い動作が続き、より複雑な物(個人的に)となってきます。中でも振り返る際の足の位置には混乱してしまいました。
 そして、時間が経つにつれ馬歩や弓歩といった中腰状態を保った動作が辛くなり、武術の練習が甘く無いことを痛感しました。
 練習が終わりに近づく頃には自分でも驚くほど汗ダクで、もうフラフラでした。(膝ガクガク)


▲小架一路


1日目の講習会が終わり服部先生からの労いの言葉を頂き解散となりましたが、講習会後の打ち上げは私にとって嬉しいイベントでした。(帰路の途中、わざわざ追いかけてくださった会員のみなさま感謝です)
 やはり、運動で乾ききった胃袋に流し込むビールは最高でした。

【2日目】

 1999年9月23日、前回の練習内容がかなり記憶からロストしている事を自覚しつつ懲りずに参加。
 準備運動(今回はストレッチも行った)と開門八式を復習しましたが、やはり見事に忘れてました。(汗)
 今回は小架一路という套路(型)の練習を行いました。本当は開門八式のみにしておこうと思ったのですが、『なにごとも経験』と思い直し挑戦しました。 開門八式と違い小架は各動作がひとつの流れになっていて静と動が一体となり、”八極拳”を強く感じる事が出来る素晴らしいものです。 私はまだ上手く動く事が出来ませんが、頑張って習得していきたいと思います。


▲小架一路より 小纏用法


【最後に】

 八極拳を感じる事のできた今回の講習会は、私にとって貴重な経験となりました。武術は人を傷つける技術ですが、それだけではない気がします。厳しい練習の中で培われていく勇気や優しさもあると思います。(服部先生ならびに会員の皆さんの暖かい心遣いを見てそれを強く感じました)
 私も今後八極拳を通して大切な物を学んで行きたいと考えています。服部先生、会員の皆様、入会の際は宜しくご指導お願いします。

 追伸、指導員の上田さん、23日は自宅まで送って頂き感謝しております。また呑みたいですね。

(小島 直毅 HN:人造天使)


「八極拳特別講習会」受講レポート

 以前から中国武術という世界に惹かれるものがありながら、臆病風に吹かれてなかなか足を運ぶ勇気が持てなかった自分が、1999年9月15日、23日の「八極拳特別講習会」に受講する事を決めたのは一回目の開催一週間前でした。私の場合、武術に興味を持っていたにも関わらず、今の今まで中国武術はおろか、どの格闘技や武道にも挑戦する勇気がなかったため、この「八極拳」という武術を習うことは、27歳にして大冒険をする感覚でした。

・講習初日
 緊張しながら迎えた初日、服部先生の挨拶から始まりました。そしてまず八極拳の練習に入る前に準備運動を軽くしました。が、これが私にとって結構辛く、自分の運動不足を改めて痛感させられました。しかも、準備運動の中には普段見られない動作が幾つか混ざっていたのですが、これが意外とできない!たかが準備運動なのに・・・。勿論、他の参加者は特に迷うことなく淡々とやっていましたけど。自分だけうまくできない・・・。ちょっとショックでした。
 八極拳最初の練習は「馬歩」「弓歩」といった構えから始まりました。どの構えも足にかなりの負担がかかり、ひとつの構えを数分間続けただけでも私の手足はガクガクと笑ってしまいました。
 基本的な構えが終わると次は2人一組になっての練習(対練)に移りました。ここでも一生懸命やるもなかなかうまくできませんでした。特に「三靠臂」や「貼山靠」といった練習などは相手に自分の体をうまくぶつけることができず、相手の方に迷惑をかけてしまいました。
 これらの練習がひと通り終わると、いよいよ基本拳の「開門八式」の練習に移ります。開門八式はこれまでの準備運動や対練よりも格段に力強く、また激しい動作が印象的でした。特に先生が技を出す際、足で地面を強く踏み付ける動作、いわゆる「震脚」がその動作に入っていたりするのですがその凄さには圧倒されました。音が重く、振動が床を伝って自分の足に響いてきた時には鳥肌が立つくらいです。(ホントです)
 開門八式を何とかモノにするべく、服部先生や指導してくださった方々の動きを何度も見て、一生懸命あとに続いて練習しましたが、やはりいきなり始めてモノにしようだなんて無理があったようで、動作そのものを覚えるだけで私の頭と体はオーバーヒートしてしまいました。特に「抽別子」という動作(技)ではかなり泣かされましたねぇ。柔道の大内刈りに少し似た足技系の投げ技なんですが、体をくるりと回転させるため慣れない私には目がくらみ、安定感のないふぬけた動作になってしまいました。
 そんな私を余所に、開門八式をひと通り学び終えたところで初日の講習は終わりました。
 その後、服部先生や教えてくださった会員の方々が私たち講習参加者を飲み会に誘って頂きました。飲み会の席では、服部先生や他の皆さんの貴重なお話や興味深い話、おいしいビールなど、すごく有意義な時間を過ごさせて頂きました。

・講習2日目
 先週の講習で教わったばかりの事が殆ど記憶に残っていなかった私でしたが、性懲りもなく参加しました。初日同様、先生の挨拶から始まり、準備運動を行いました。今回はストレッチが加わり、自分の体の硬さを認識させられるのでした。馬歩、弓歩などの立ちかたから対練を経て、開門八式へと講習は続きます。私は頭の中に動作の殆どが消えてしまっていたため、とても焦っていましたが、先生や指導してくださった方達が嫌な顔ひとつせずに何度も丁寧に教えてくださいました。そのおかげで私も遠慮無く講習に集中する事ができました。(本当に助かりました)
 開門八式の復習(動作を忘れていた私にとっては復習とは言えないですが)を終えると、服部先生が八極拳の基本套路でもある「小架一路」の講習希望者を募りました。最初は小架一路なんてド素人の私にはまだ早いと考えていたのですが、小架の誘惑に勝てず参加。「套路」は様々な動作がひとつの流れを形作ったもので、空手の「型」にあたるものだそうです。そして呉氏八極拳に於いて、小架一路という套路は、基本的な套路であると同時に最も重要な套路だと聞いています。(しかも呉氏八極拳以外には伝わっていないので尚のこと貴重に感じます)それだけに小架一路は難しく、はっきり言って素人の方がとても一日の講習で覚えられるようなものではありません。ただ、小架一路というすばらしい套路を一生懸命受講した方達は、小架一路を体験できた事に皆満足そうでした。勿論、私もその一人であります。特に私の場合、受講者の方達に動作の意味を話してくださるため、その相手として服部先生に「小纏」という技をかけられ痛い思いをしつつも本場の技を目の当たりにしてとても感激しました。(当然ながら先生は手加減してくださっています)
 講習2日目は、小架一路を何とか最後まで教えて頂いた所で時間となりました。初日以上に足が重たくなりましたが、疲れを忘れるくらい充実した時間が過ごせました。小架一路をやって本当によかったです。
 2回目も同様に私達受講者を飲み会に誘っていただきました。この時間は本当に楽しく、服部先生や指導してくださった生徒さん達は、わずか2回の講習しかでていない私達にも何ら隔たりなく話しかけてくれました。

・最後に
 わずか2回の講習ではありましたが、とても充実した時間が過ごせました。八極拳という武術を学べた事、そして服部先生や指導をしてくださった方達、一緒に受講された方達に出会えた事は私にとって大きな財産となりました。これからも八極拳というすばらしい武術と長く付き合っていけるように頑張って練習していこうと思います。

(荒木 康弘 HN:わんた)

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